ライザップに学ぶ!急成長を遂げた7つのビジネスモデルとマーケティング戦略の秘密とは?

[著]
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いまや「ジムといえばライザップ」というほどの知名度を得たライザップ。「入会2ヶ月待ち」が出るほどに新規顧客を多数獲得し、サービス開始からたった3年で売上100億円を達成するなど、その勢いは留まるところを知りません。

この急成長の裏には、一体どんな戦略が隠されているのでしょうか? 今回はライザップの成功理由について、ビジネスモデルの構築・マーケティング戦略等、様々な視点から紐解いていきます。

目次

ライザップのダイエット方法とは?

「2ヶ月で結果を出す」と謳うライザップ。まずはそのダイエット法がどんなものなのかを見てみましょう。

メインは「筋トレ」

「痩せるためのトレーニング」というと、ランニング・水泳といった有酸素運動を思い浮かべる人も多いはず。しかしライザップでは有酸素運動はほぼ行われず、マシーンを使った「筋トレ(無酸素運動)」にトレーニング内容を絞っています。

単に「体重を落とす」ではなく、バルクアップ(筋肉量の増加)によって身体全体の基礎代謝力を上げ、同時にスタイルを改善するという方式です。トレーニングに用いられるのはスタンダードなベンチプレスやスクワット、腹筋運動等となっています。

メニュー内容は個人の体力・筋力・体調等に合わせて都度組まれますが、50分程度のコースを週2回行うのが一般的です。ライザップの店舗に顧客が訪れるのは原則週2回、1回約60分~90分(完全予約制)ということになります。

糖質カット重視の食事制限

栄養学・生理学に熟知したトレーナーによって、毎日の食事についての栄養管理指導が行われます。三食をきちんと食べることが求められ、特にタンパク質の摂取が推奨される傾向です。肉は通常のダイエットでは避けられがちな食材ですが、ライザップでは「筋肉を作るために必要」と考えられています。

反対に糖質・脂質については厳しく制限が行われる傾向です。特に米やパン、パスタ等の炭水化物は糖質過剰となりやすいため、摂取を控えるように指導されます。飲酒についても同様で、ビール類は糖質(炭水化物)になるためNGとなることがほとんど。ウィスキー・焼酎等の蒸留酒類の飲酒はOKとされることもあります。

管理の仕組み

ライザップの最大の特徴が、徹底したマン・ツー・マンスタイル(個別指導)方式であることです。50分~60分のジム・トレーニングは全て個室で行われ、トレーニング姿勢・回数等を常に担当のトレーナーが細かく指導していきます。

また、顧客は自分の食事内容をトレーナーへ提出しなくてはいけません。外食・宴会等で食事制限を守るのが難しい場合には、自宅でのウォーキング・腹筋といったホームトレーニングが要求されることも。オリンピックに出場するアスリートのように「体を作る運動と食事」を管理するトレーナーが付くといったスタイルです。

ライザップで急激に成長した健康コーポレーション

ライザップを運営しているのは、東京・新宿に本社を置く「健康コーポレーション株式会社」。2003年に設立されたまだ「若い会社」ですが、一体どんな企業なのでしょうか?

健康コーポレーションとは?

健康コーポレーション公式サイト

『健康コーポレーション』はその名の通り「健康食品」の通信販売をメインにスタートした会社です。「豆乳クッキーダイエット」がヒットし、2007年にはこの事業で売上100億円に到達しています。

その後は様々な企業を買収・子会社化。健康・美容関連の他、アパレルや住関連事業など幅広い展開を行っています。

    健康コーポレーション及びグループ会社の事業

  • 美容・健康系:美顔器「エステナードソニック」、石鹸「どろ豆乳石鹸どろあわわ」等の通信販売、ライザップの運営
  • アパレル系:マタニティウェア、ベビーウェア、レディース通信販売等
  • ライフスタイル系:インテリア雑貨販売、オーガニックコスメブランド展開
  • エンタテイメント系:ゲームセンター、ボウリングセンター、複合型施設(シネコン)展開等

起業以来メイン事業として行ってきた健康・美容食品通販の宣伝ノウハウは、ライザップの展開にも大きな影響を与えていると言えるでしょう。

ライザップの急成長までの流れ

きっかけは「社長のダイエット成功」

健康コーポレーションがライザップをスタートさせるキッカケになったのが、社長である瀬戸健氏本人が個別指導トレーニングでの10キロ以上のダイエットに成功したことなのだとか。

これにより「実店舗での個別ジムサービス」というプランがスタートしますが、「健康コーポレーション」では顧客との対面式サービスの経験はゼロ。そのためサービス開始にあたっては「接客ノウハウ」のデータ蓄積が重視されたそうです。

スタート当初は「富裕層向け」の展開

2012年4月に事業開始、4月にサービスをスタートさせたライザップ。サービス開始当初は富裕層向けをターゲットとし、高級マンションへの投げ込みチラシ、アッパー向けWEB・雑誌媒体への広告を中心としたマーケティングが行われてきました。

しかし顧客データ解析によって富裕層よりも一般層(サラリーマン層)の興味度が高く、またF1層(20歳~34歳女性)が予測よりも大きな反響を示していることが判明。これによりターゲット層を「富裕層」から「一般層」へと大きく広げ、マーケティング戦略を変更していきます。

「ビフォア・アフター」CMが反響

一般層への認知度の上昇を狙い、2014年にはTVCMによるマーケティングを開始。「ライザップ前/ライザップ後」の違いを見せるCMは視聴者に大きなインパクトを与えました。

特に2015年1月からスタートした元プロボクサー・俳優の赤井英和さんの登用は大きな反響を呼び、問い合わせ件数は月3,000から200%以上の7,000件へと急増。M3層(50代以上の男性)からの問い合わせが増え、女性60%:男性40%だったユーザ層の男性比率を上げることにも成功しています。

開始3年で売上100億円達成

2015年、ライザップは事業スタート3年で売上100億円を達成。国内店舗を全国61店舗にまで拡大させました。2015年3月時点での累計新規獲得会員数は2万9,000人以上。1ヶ月1,000人以上のペースで新規会員を増やし、現在も500人以上が「順番待ち」をしている状態です。

2020年度の連結売上高3,000億円、営業利益350億円を掲げる等、その成長にはまだまだ伸びがあることが予測されています。

健康コーポレーション及びライザップが目指すもの

ライザップ及び健康コーポレーションは5年後の2020年を目標とした新中期経営計画「COMMIT2020」を策定。今後の経営方針として以下のような戦略を打ち出しています。

  • 医療分野への進出
    2015年夏には既に医療機関との提携をスタートさせ、クリニック内にライザップの店舗を出店させています。
  • ターゲティングをシニア層へ拡大
  • 肥満・糖尿病等の生活習慣病対策、健康寿命の延伸といったシニア向けサービスの充実が測られています。

  • 本格的な海外進出
    既に上海・シンガポール・台北・香港と4店を海外に出店していますが、今後は北米・ヨーロッパ・オセアニアにも進出予定となっています。

「日本から生まれたトレーニングブランド」として、自己投資ビジネス世界ナンバーワンを確立する。ライザップの掲げた目標は非常に大きなものですが、現在の破竹の勢いを見る限り、この予測が「誇大」であるとは言いがたいところです。

ライザップが成功した理由:急成長への7つの戦略とは?

ライザップが提唱するダイエット法は、けして「魔法のような新技術」というわけではありません。筋トレと食事制限…ごくスタンダードな方法でありながら、なぜ他のトレーニングジムと大きな差をつけられたのでしょうか?

新しいビジネスモデルを築いたライザップ

ライザップは従来の「フィットネスジム」というビジネスモデルを大きく変革させた存在です。従来の「ジム」とは、温水プールや最新鋭のトレーニングマシーン等の「設備」を充実させ、顧客側が営業時間内にいつでも訪れ、好きにマシンを使い、必要な時にトレーナーを頼るというものでした。

「ジム=場所とマシンを提供するビジネス」であったと言えるでしょう。しかし、このシステムには大きな問題があります。設備費がかさむこと、そして顧客が来ない時の人件費・光熱費がムダになることです。これにより従来のフィットネスジムの粗利は平均20%程度に留まってきました。

ライザップはこのシステムを根本から変えています。「専門知識を持ったトレーナーによる指導・管理」を提供サービスの主軸としたのです。つまり「ジム=人がサービス提供するビジネス」としたわけですね。

徹底した個別指導であるため全個室制とし、マシンは必要最低限にブラッシュアップ。また完全予約制としたことで稼働率のムダを削減しています。ライザップの設備維持費・光熱費額はそれぞれ売上の1%程度にまで抑えこまれ、粗利約80%という高収益を出すことに成功しました。

この収益を更に以下のような広告戦略・経営戦略に注ぎ、結果として「2ヶ月約30万」というかなり高額な料金を多くのカスタマーに納得させたのです。

戦略1:CMでの極端なBefore&After

ライザップのBefore&After
<ライザップ公式HP http://www.rizap.jp/

ライザップの「Before&After」CMと言えば、今やパロディにされるほど有名ですよね。ぽっこりとしたおなかを突き出すようにしてうなだれ、不機嫌な顔を見せる「Before(ライザップ前)」のモデルやタレント達。それが「After(ライザップ後)」には華やかな水着や髪型、胸筋を出したシャツに変わり、にこやかな笑顔、そして引き締まった腹筋を強調させるという内容です。

「痩せるサービス」を打ち出すCM方式としては非常に「ベタ」「コテコテ」「直球」と言えるでしょう。視聴者はこの手の「痩せた!という広告」は、エステや健康食品で何度も見かけているはずです。しかし、そこに「驚く程の極端さ(意外性)」があったことがCMを成功させています。

例えば話題となった赤井英和さんの場合、体重は2ヶ月で-7キロ。ウエストは-15センチ以上、体脂肪率7%以上のダウンという圧倒的な変貌ぶりです。もはや「別人の体」を映像で見せられれば、誰もが「ホントか?」と驚くインパクトを与えることができますよね。

さらに、その対象が「誰だか知らない一般人(ヤラセができそうと感じる)ではない」という点にも注目です。「赤井英和」「SMAPの香取慎吾」と言った誰もが知る有名人が変貌ぶりを見せれば、「ホントに痩せたんだ!」という「信頼性」が加わります。CM以外でも彼らの変貌を確認できますから、信頼性はますます上がるのです。

「ベタ(わかりやすくシンプル)」であり、「意外性」に富み、「信頼できそう」と感じさせ、映像の結果は「自分もああなりたい!」と思う姿、すなわちカスタマーの理想形である…ライザップのCMは「人を掴む広告」の要素をしっかりと抑えていたと言えるでしょう。

戦略2:食事の徹底管理

ライザップHP内の低糖質レシピ
<ライザップ公式HPより-低糖質レシピ集>

ライザップはTVCM・WEB広告の段階から「食事制限(栄養管理)がある」ということを明示しています。「好きに食べて痩せられる」といった「ユルそうなイメージ」を敢えて消し去ったわけです。

食事制限の内容に個人差はあるものの、原則は「糖質の制限」。入会者には食事のガイドラインブックが渡され、推奨される食べ物、避けるべき食べ物、代替品レシピやコンビニ・外食時の注意点などが指導されます。

  • 推奨食品
    鳥ムネ肉、鳥ささみ等の肉類(脂身除く)、乳製品、豆製品、低糖質の野菜、エキストラヴァージンオリーブオイル
  • NG食品
  • ごはん・パン・パスタ、麺等の炭水化物、芋類、人参・トマト等の高糖質の野菜、揚げ物、菓子類、オリーブオイル以外の油等

ちなみに食事抜きや600キロカロリー以下の食事もNG。一日三食をきっちりと食べることが必要になります。さらに入会者は毎食の食事内容をカメラで記録し、担当トレーナーへメール送信して更に今後のアドバイスを受けるという徹底ぶりです。

これらの制限・管理内容も秘匿されず、テレビや雑誌媒体で「有名人の体験」という形を使って宣伝されています。2015年夏にはフジテレビ『めちゃイケ』でナインティナインの岡村隆史さんがライザップに挑戦。食事管理内容をテレビ公開し大きな話題にもなりました。ここが「ミソ」なんですね。

食事制限について随分サラッと書きましたが、この制限と管理、一般人が独自に行うにはかなりハードルの高い内容です。ただ糖質を制限すれば良いのではなく、タンパク質をしっかり摂取し、リバウンドを防ぐために徐々に糖質を増やす等の微妙なコントロールが必要になります。

栄養管理内容をメディアで観た人たちは「このレベルでやらないと痩せない」「自分一人では我慢できそうにない」「自分で食事を考えられない」という印象を受けることでしょう。つまり「痩せるにはプロの管理が必要だ」という教育(エデュケーショナル・メッセージ)を受けるのです。

戦略3:結果にコミットする手法

ライザップHP減量後の太りやすさの違いの図
<ライザップ公式HPより-減量後の太りやすさの違いについて>

ライザップがCMで繰り返し打ち出してきた「結果にコミットする」という言葉は、まさに戦略を象徴するワードです。

非常にラジカルな言い方をすれば、従来のジムとは「できたら痩せずに、ずっと来て欲しい」というものでした。入会者がラクをしたがればそれでもOKでトレーニングの負荷を下げ、幽霊会員は「良いお客さん」…というわけですね。

ところがライザップの場合、入会者のダイエット完遂率は90%以上という驚くべき数値を謳っています。体重減の平均数値は11キロ。「2ヶ月で落とさせる」という「結果」を出してきたわけです。

さらに「幽霊会員を作らない」という目標を掲げているのも特徴。「まず2ヶ月でダイエットに成功させ、結果に満足してもらい、さらに『その体を維持したい』と通う」…これがライザップの手法なのです。当然ながらこれだけの「結果」を出すには「ラクなニコニコしたトレーニング」では無理、ということになります。

  • ハードなトレーニング
  • トレーニングは50分間(標準プラン)全てマンツーマン指導。内容もかなりハードで、姿勢・回数・ウェイトの重さ等を徹底されます。個室なのでサボりようがありません。

  • 厳しめのプライベート管理体制
  • 食生活の指導のみならず、外食等で栄養管理ができなかった場合には腹筋運動やウォーキング等のセルフトレーニングが課せられることもあります。

上記のような「ある程度の厳しさがある」ということは公式サイトでも明示されています。「他と違った厳格さがある」というアピールはデメリットではなく「結果を出す約束」(コミット)に繋がります。「ここまで徹底されれば、自分も痩せられるのではないか」という報酬意識を持たせているのです。

戦略4:全額返金保証を謳って他競合との差別化

ライザップでは「30日間全額返金保証制度」を設け、サービス開始後30日間のうちに会員から申し出があった場合、料金の全額の返還を行うことを明言しています。

ごく簡単に言えば「満足できなければお金が戻る」というわけですね。この「返金制度」は痩身・脱毛エステサロンや通信販売等ではかなり一般的になった制度なのですが「フィットネスジム」というジャンルでは非常に画期的でした。健康食品の通販からスタートした「健康コーポレーション」ならではの手法と言えます。

ライザップの場合、標準プランの料金は2ヶ月で29万8,000円(税別・入会金別)。かなり高額ですから、「痩せられなかったら…」と思うと尻込みをする人も多いことでしょう。消費者は「ムダな出費」が大嫌いなのです。

しかしそこに「全額返金」という保証を設ければ、入会へのハードルはグッと下がります。同時に「痩せなくて全員に返金していたら、商売にならない」というのは、誰もが思いつくところ。つまり「30日で結果を出す自信があるんだな」という信頼感の上昇にも繋げられるのです。

ちなみにこの返金制度、サービス当初には返金にあたっての条件が設けられていました。例えば妊娠・住所変更(引越)・病気等の自己都合問題については「返還規定にあたらない」という状態だったのです。

またライザップの言うことをきかない人(ライザップに来ない、キャンセルする、食事内容の報告を行わない等)も「返金対象外」とされてきました。しかし2015年6月にはこれらの条件は撤廃。引越等の自己都合による退会の申し出についても返金の対象とされるようになっています。

戦略5:頭に残る広告音

ライザップのCMと言えば、「Before」と「After」のそれぞれのシーンでかかるバックサウンドも特徴的ですね。「Before」では低音の「ブゥーチ・ブー、ブゥーチ・ブー」という音を響かせ、モデルが「After」に切り替わると爽やかで華やかなシンセ音が広がる…というシンプルかつ対比的な作りになっています。

特に冒頭の特徴のある低音を聴けば、誰もが「ライザップのCMが始まった」と感じるのではないでしょうか? このような「耳について離れない特徴的な広告音」を用いているのは、ライザップだけに限りません。いくつか例を挙げてみます。

    企業名・商品名を唄風にアレンジしたもの

  • ヤマダ電機「ヤマ~ダでんき」
  • dmm.com「ディーエムエーム、ドットーコム」
  • 森永製菓「モ・リ・ナ・ガ」
    キャッチコピーをアレンジしたもの

  • AGF「コーヒーギフトはAGF」
  • 三幸製菓「一個でもニコニコ三幸の柿の種」
  • ミスタードーナツ「もっといいことミスタードーナツ」
    歌詞は無いが音だけで企業をイメージさせるもの

  • マクドナルド「I’m Loving’ it」キャッチコピーの直前に使われる「パラッパッパッパー」
  • インテル CM冒頭音

どれも意識しないうちに「耳から記憶に残る」ものばかりです。上記のような「ブランドを意識付ける短い音楽」のことは「ジングル」や「サウンド・ロゴ」と呼ばれています。2015年4月にはこれらのサウンドロゴが「登録商標」として認められるなど、企業におけるジングル・サウンドロゴの重要性はますます高まっていると言ってよいでしょう。

これにはTV視聴者側が「CM中は熱心に画面を観なくなった」ということも影響しています。スマホ等をいじりながら「なんとなく」「ながら見」をしている視聴者に対し、映像・画像で勝負をかけてもそもそも「観られていない状態」では意味がありません。

そこで「音」が鍵となるわけですね。人間は外部から受ける刺激の感知(いわゆる五感)について、50%以上は視覚(目)に頼っています。しかし次に多くを請け負っているのは「耳」。なんと40%近くは耳で感じ、覚えているのです。

耳に残る音を作る、音で視聴者にブランドを意識させる–「サウンド・ブランディング」と言われるこの手法をライザップも取り入れ、そして成功を収めたということになります。

戦略6:WEBサイトの戦略:アフィリエイトの活用

「購入・契約前にレビュー・口コミをチェックする、参考にする」と答えた人の率は既に全体の4割以上。商品販売側にとって、「ネット上のレビューや口コミ」という存在はいまや見逃せない状態となっています。

特に問題となるのが「悪評」です。「行ったけど良くなかった」「効果がなかった」…こんなレビューがネット上で溢れれば、消費者の購買欲は大きく下がりますよね。しかしライザップの場合、TVCMでの認知度上昇・会員者数の急上昇に比べ、この「悪評」がネットにほとんど上がらない状態となっていました。

もちろん「ライザップ+不満」「ライザップ+良くない」と言ったキーワードで検索をかければ、それらのワードを掲載した「ライザップ良くないかも?」「ライザップ厳しすぎ」といったブログは数多くヒットします。ところが内容を見ると、最終的には「ライザップ良かった」という内容に落ち着いていることがほとんどだったのです。

この理由としては、ライザップ側が「うまいアフィリエイターを抑える」という戦略を行っていたことが考えられます。

アフィリエイターとは、自分のサイトやブログで商品を紹介し、契約数・ページ閲覧数等に応じて報酬を受け取る「アフィリエイト」を行う人のこと。1ヶ月数千円~数万円程度の「お小遣い稼ぎ」のアフィリエイターがほとんどですが、中には何千万という年収を得ている有力なアフィリエイターも存在しています。

このように上手く「強いアフィリエイター」を確保し、「一見して悪評に思えるが、最終的にはライザップに好印象を与えるブログ」も展開させた可能性が高いというわけですね。

ライザップを運営する健康コーポレーションは、前述のとおり健康食品の通信販売を主力としてきた企業です。「ネット評価」が鍵となる点、同時にアフィリエイターの重要性についてはライザップスタート以前に熟知しており、そのノウハウをフルに活用したのではないでしょうか。

ちなみに2015年6月の報道では、ライザップは宣伝・広告費を年間に70億円以上投入していることが判明しています。この莫大な広告費が特長あるTVCM等に使われていることはもちろんですが、アフィリエイト等の「WEB戦略」にかなりの費用が投入されているのは間違いないでしょう。

戦略7:トレーナーとの協力でダイエットをあきらめさせない!

ライザップHPに載っているトレーナー
<ライザップ公式HPより>

ライザップのトレーニング・栄養管理指導の内容は、【戦略3】でご紹介したとおり「結果を出す」ためのかなりハードなもの。回数や姿勢を細かく指定されるマシントレーニング、日々三食の食事指導…言ってみれば「オリンピックのアスリート」と同じような生活に、一般人がいきなり突入するわけです。

しかも、入会してくる人の多くは今までダイエットに挫折し、「痩せたい」と思いつつ痩せられなかった人。それがアスリート同然の生活に入るのですから、「投げ出したい・諦めたい」となる可能性は高いですよね。

そこで重要になるのが「トレーナーとの協力・信頼関係」ということになります。ライザップではサービス開始当初より「設備投資」よりも「信頼されるトレーナーの育成」に力が入れているのです。

ライザップのトレーナーへの応募者数は月平均1065人。このうち採用者数は35人程度(全体の3.2%)ということなので、かなり厳格な審査体制が敷かれています。専門知識面ももちろんですが、接客力・コミュニケーション能力等が重視されているのも特徴的です。例えば元トップクラスの営業マン、美容師といったコミュニケーションスキルに優れた人材を登用しています。

また採用後には150時間以上の研修プログラムが組まれているとのことですが、ここでも「コミュニケーションスキルアップ研修」「カウンセラーによる指導」等、「対人対話能力を磨く練習」に力が入れられている点にも注目です。

入会者を厳しく指導しながら「諦めないで頑張ろう」と励まし、モチベーションを落とさせないトレーナーを育成することが、最終的に「入会者に結果を出させること(顧客の満足)」に繋がるのですね。

ダイエットというと、ついついフィジカル(肉体的)な技術や知識ばかりに目が行ってしまいがちになります。しかし考えてみれば。ダイエットに失敗する根源的な問題は「頑張れない、諦めてしまう」というメンタル(精神)にあるはず。この「メンタル重視」という根本的な部分に着目した点が、ライザップを画期的なフィットネスジムへと成長させたのでしょう。

まとめ

ライザップが行ってきた戦略はそのダイエット法と同様、ひとつひとつはスタンダードなものです。「この戦略はもう知ってるけど」と思ったものがいくつか有るかもしれません。

しかし「他の業界で行われきた常套手段」を「フィットネスジム業界に投げ込んだ」という点が画期的だったのであり、それこそがビジネスチャンスであることに注目してみましょう。

誰もが思いつきそうで、でも誰もやらなかった。ライザップの戦略はまさに「コロンブスの卵」的な発想に満ちています。その着想に加えて「意外性のある広告」「デメリットの提示による信頼性の上昇」「他社との差別化」…これらをひとつひとつ丁寧に行ったからこそ、現在の爆発的な成長があると言えるのです。

また、他企業の経営・集客戦略についてはこちらの記事もご参考下さい。

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