審美歯科や矯正歯科というと、歯や口元をキレイに整える自費診療がほとんどですが、一般歯科でもインプラント義歯やセラミックインレーといった様々な自費診療があります。
一般歯科で、「自費診療を増やしたいけれどむし歯から入れ歯まで幅広くやっているから難しい」「審美歯科や矯正歯科のように自費診療だけにできないから儲からない」などなど自費診療を増やしたくても増やせないという声を耳にします。
確かに、矯正歯科や審美歯科といった自費診療に特化した歯科に比べると自費診療のみの診療を絞ることは難しいです。
しかし、一般歯科に来院する患者さんは「歯が痛くてしょうがない」「食べ物が噛めなくて辛い」といったSOSから歯医者さん来院しています。その緊急性を訴えて診てもらったときに築かれる患者さんと歯医者さんの信頼関係はとても強いものです。
それがどうしたの?と思うかもしれませんが、実はこれが審美歯科・矯正歯科にはなかなか無い集客への強みになるんです。どういうことかみていきましょう。
患者さんは「痛い」「噛めない」を今すぐ治してほしい
例えば義歯を入れている方が急に歯が痛い・噛めないといった時に、患者さんは何が原因なのか分からないことがほとんどです。
「義歯が痛くて食べ物が噛めない」といっても、義歯が動いて痛みが出ている・内側の歯に痛みが出ているなど原因はさまざま。
歯医者さんが口腔内を診ないと原因が分からないわけですが、患者さんの中には歯医者が苦手でやっとの思いできたという人も。なかなか口内を診せてくれなかったり、薬だけ欲しいという患者さんもいると耳にします。患者さんの側は「取り合えず今日の痛みが治まれば良い」という気持ちなのでしょうが、薬などでその日の痛みを抑えてもまた治療をしないと原因は残ったままです。
患者さんは、自分の口腔内の痛みや噛めない理由が分からない・治療への恐怖心から「取り合えず」今日治れば良いと考えてしまうのですね。
「痛い・怖い」を取り除いた歯医者さんへの信頼感の強さって?
その一方で、「痛い・噛めない」に応急処置とその原因を説明してもらい「その日の晩ごはんを美味しく食べられた」・「痛くて眠れなかったのにやっとぐっすり眠れた」患者さんは治療に対してのハードルも低くなり歯医者さんに対して信頼感を得ます。
「痛い」という緊急性と「どうして痛いか分からない・治療が怖い」という恐怖心からやっとの想いで訪れた歯医者さんで患者さんが得た信頼感は、審美歯科や矯正歯科の「無料カウンセリング」では築けません。
その患者さんが本格的な治療のために来院した際には、「この歯医者さんなら安心して任せられるかも」といった気持ちで訪れます。「痛み」「噛めない」への緊急性から得た信頼関係は、その後の治療や他診療に対しても高いリピート率に繋がります。
強い信頼力は最大のリピート率・クチコミに繋がる
患者さんの側からすると、「痛くて痛くて仕方がない歯をなんとかしたい」という緊急性から訪れた歯医者さんで親切な対処と診療をしてもらうことで強い信頼感を持つことができます。他の歯科治療をするならこの歯医者さんでやりたい・他の歯や口腔内の悩みもこの歯医者さんに診て欲しいと考え、リピートしてもらえます。
また、「この歯医者さんの医院長に診てもらったら凄く良い診療をしてくれた」「この先生だから安心して診てもらえる」といった患者さんの声は、集客につながる強力な口コミです。歯科医院のスタッフに対して、クチコミサイトに定期的にクチコミを書かせている歯科もあるほど、クチコミは歯科の集客に大切な要素の一つ。
口コミサイトに登録して患者さんに紹介してもらおう
口コミサイトに登録をし、その患者さんの感想や率直な気持ちを書いてもらうのも良い集客方法の一つです。「口コミサイトに登録しているので良かったら書いてください」と良い関係を築けた患者さんに一言伝えるのも良いでしょう。
このように、緊急性の高い診療から信頼関係を築けた患者さんと歯医者さんでは高いリピート率と良い口コミを得ることができます。
代表的な歯科の口コミサイトをご紹介します。
icou! 歯科へ行こう!
全国の歯医者さんから都道府県・住所のや駅名のほかに、最新の口コミやおすすめ歯科医院から歯科を探すことができる口コミサイトです。自社HPとリンクさせることもでき、このサイトに登録すると患者さんがFAX予約できる機能もあります。
他にも患者さんからの口コミを星の数で評価したり、歯科医院の写真や情報を入れる機能もあるので宣伝力にも繋がります。
EPARK歯科
「icou! 歯科へ行こう」と同じく、地域・駅名から歯科を探すことができる他に、症状や治療法・歯科へのこだわりの条件で検索することができる口コミサイトです。
また、「今すぐ予約」や「早朝」「夕方」などといった時間帯で歯科を検索することできます。診療時間外の予約受付を代行してくれるコールセンター代行サービスがあるのも特徴です。
患者さんが一番知りたいのは治療に対する歯医者さんの気持ち
「どこの歯医者でもやっている治療方法だからホームページを作っても意味がない」「具体的な治療の内容や方針は来院してもらってから話さないと伝わらないから載せたくない」といった声を耳にします。
でも、これはちょっと違います。集客という切り口からすると見込み客が一般歯科のホームページで一番知りたいことは、「どんな歯医者さんか」「どんな治療方針や気持ちで治療している先生なのか」です。
ホームページに専門的な内容は載せないで
患者さんは歯科の専門知識を持っているわけではありませんし、難しい治療の内容や治療の種類の違いをホームページ上に載せても分かりません。もし治療の種類について読み「この治療をしてください」といって来院したとしても、実際に必要な治療とは異なり説明が複雑になって面倒なカウンセリングになることも。結果からいうと集客に対しては載せる意味があまりありません。
「具体的な治療の内容や方針はホームページに載せたくない」という歯医者さんはこういった理由からです。だからといって、多くの一般歯科によくある「診療内容」「価格」「アクセス」だけが載っているホームページでは見込み客には他の歯科との違いは分かりません。よくある「町の歯医者さんの情報」に留まってしまいます。
どんな気持ちで患者さんに接しているか知ってもらおう
例えば義歯の治療に対して、「歯をできるだけ残してあげることで、食べ物を噛みしめた時の感覚が残ります。だから私は他の歯科で歯を抜くようにいわれた方でもできるだけ抜かないようにしたいのです。」このような歯医者さんの治療への気持ちをホームページに載せましょう。
見込み客は、「治療の種類」ではなく「治療に対する歯医者さんの姿勢」「患者さんにどんな気持ちで診療をしているのか」が最も知りたいのです。
「クラスプを使った方法とは・・・」「マグネットデンチャーのメリットは・・・」など専門的な用語や説明をホームページに載せることは、カウンセリングをややこしくする原因になるだけでなく集客にはあまり意味がありません。
むしろ、来院してもらってから説明した方が分かってもらいやすいし効率的です。
「初診でも怖くない」歯医者さんだと伝えよう
ホームページは「安心して診てもらえそう」と思ってもらう媒体
ホームページに載せるので一番大切な内容は何でしょう?「「痛い」「噛めない」を今すぐ治してほしい患者さんと信頼関係を築いたことについて振り返ってみてください。
「この歯医者さんだから安心して診てもらえる!」「歯を抜かない方法を一緒に考えてくれた!」そう患者さんが思った、歯医者さんの対応や診療の在り方をサイトに載せましょう。
ホームページに載せるべきことは、先ほどの口コミに繋がるような「安心して診てもらえる歯医者さん」「私に合った方法で治療してくれる歯医者さん」であることが伝わる内容です。
また、保険か自費診療か選べる治療についても分かりやすくホームページ上で解説してあげるのも良いでしょう。
各治療のメリット・デメリットや治療後のサポート・先生の治療に対する考え方をできるだけ丁寧に載せてあげることで「少し高くてもこの先生になら自費診療のことも聞いてみたいな」「高い治療を押し付けられることなくちゃんと考えてくれそう」と思ってもらうことができます。
これも、あくまで「歯医者さんの治療に対する考えと姿勢」を知ってもらうことが目的です。専門用語や込み入った説明はしないようにしましょう。
どこにでもある商品がヒットするのと似てる?
話が逸れますが、どこにでもあるような商品なのに、ある商品だけ爆発的にヒットしていたり、人気が出ていたりしますよね。それは集客方法やアピールポイント・見込み客への訴え方が上手くいったことによります。
一般歯科の集客も同じことがいえます。「他の歯医者でもやっている診療だから」は関係ありません。見込み客に、その診療に対するを想いや考えを伝えて共感してもらう必要があるんです。
また、「来院してもらってから説明すること」と「来院する前に知ってもらうことで集客に繋がること」は似ているようで実は全く違います。
各診療の詳細を載せることが大切なのではなく、各診療に対する歯医者さんの想いと患者さんのことを想っての治療方針についてホームページから見込み客に知ってもらうことが大切なのです。
まとめ
また、ホームページを利用して各診療や患者さんへの想いを伝えることがとても大切です。流れ作業的に行っていたり、激安を謳っている歯科には得られない信頼感・安心感を持ってもらえます。見込み客に対しても、「安心して来院できる・怖くない」と伝えましょう。