歯科クリニックで、リスティング広告をスタートする時に考えるべきことは山程あります。特に審美歯科・矯正歯科に関連するビッグワードではワンクリック数千円なんていうこともありますのでキーワード選びは重要です。
また、「千葉県 審美歯科」といった地名との掛け合わせキーワードもクリック単価が高い傾向にあります。
「ホワイトニング」や「裏側矯正」といった診療名だけで広告を出すのは集客に不十分です。今回は、歯科のリスティング広告でのキーワードの選び方・掛けあわせ方についてご紹介します。例として架空の矯正歯科を例にみていきましょう。
まずは診療名・症状に関するキーワードを抽出しよう
診療名や診療名に関連したキーワードと歯に関する症状に関するキーワードをまずは洗い出しましょう。ここで大切なのは、「見込み客が検索しそうなキーワード」を想像することです。
また、専門的な名称は、砕いた言い回しのキーワードも抽出する必要があります。(例:「反対咬合」であれば「受け口」など)実際に診療としてはメインでない診療名やそれに関連する症状なども抽出するようにしてください。そのキーワードでクリックしてクリニックに相談した結果、メインの診療に繋がる可能性があるからです。
今回は以下の条件の歯科を例にみていきましょう。
- 品川区にある矯正歯科クリニック
- 大崎駅から徒歩3分
- マウスピース矯正を中心に矯正診療の患者数を増やしたい
- 女性の患者さんがメインの客層
診療名・症状に関するキーワードを抽出しよう
マウスピース矯正の見込み客集客をメインとして考えていきましょう。
- 診療名のキーワード
- マウスピース矯正
マウスピース矯正をしたいと思う人はどのような症状で悩んでいるのでしょう?
- 症状に関するキーワード
- 出っ歯
- すきっ歯
- 反対咬合、受け口
- 八重歯
etc…
その診療に付随するキーワードを考えよう
続いて、見込み客が検索しそうなその診療に関係するキーワードを出していきましょう。特に、見込み客が考えていそうなことや悩みを想像して抽出すると良いですよ。
まずは、「見込み客が考えていること」からキーワードのヒントを得ましょう。
- 付随するキーワードのヒント(見込み客が考えていること)
- 取り外せる矯正が良いな
- 目立たない矯正で治したいな
- 滑舌を治したい
- 金属アレルギーがあるけど歯並びを治したい
etc…
これらのヒントから付随キーワードを抽出していきます。
- 付随するキーワード
- 取り外せる
- 目立たない
- 滑舌
- アレルギー
また、例えば「目立たない」であれば「透明」「見えない」といった類似キーワードも一緒に抽出しましょう。
掛け合わせるためのキーワードを選出しよう
次に、歯科のある場所や診療料金に関するキーワードを抽出します。歯科は業種の性質上、地名と診療名を掛けあわせたキーワードは集客につながりやすいです。
しかし、特にビッグワードの地名(例:東京、品川など)ではその分競争率が高くクリック単価が高騰する傾向にあります。周辺の小さな駅や地名を拾って掛けあわせることもポイントです。
料金・期間系キーワードについては、「激安」「安い」といった低コスト関連のキーワードは歯科クリニックの体制と合っているかを考慮するようにしましょう。期間に関するキーワードも同様です。「1日」「短期間」といったキーワードは不適当な場合には除外キーワードに設定するのも戦略の一つです。
- 地名系のキーワード
- 品川区
- 大崎
- 田町
- 浜松町
- 目黒
etc…
- 料金系のキーワード
- 価格
- 保険
etc…
- 期間系のキーワード
- 何年
- 時期
etc…
掛けあわせキーワードについては、リスティング運営が進むにつれて段々と増やすことをおすすめします。
他にも、人気関連や口コミ・ランキング関連などのキーワードも随時ピックアップしていきましょう。
キーワードを掛けあわせよう
さて、キーワード候補を出したらいよいよ見込み客の集客につながるように掛けあわせキーワードを作っていきます。
特に都市部ではビッグワード(ホワイトニング、矯正など)はクリック単価が高騰していますので要注意です。ポイントは、見込み客の検索するキーワードを想定することです。上手く掛けあわせることで競合クリニックと差をつけましょう。
まずは分けるキャンペーンを考えましょう。
- キャンペーン
- 診療名
- 悩み名
- 地名
- 料金
- 期間
キャンペーンを分けることで今後の運営がしやすくなります。最初はざっくりと分けて、運営が進むと共に徐々に増やすようにしましょう。続いて、キャンペーンに入れるキーワードを決定しましょう。
- 各キャンペーンに入れるキーワード
- 診療名・・・「マウスピース矯正」、「透明 矯正」「外せる 矯正」
- 悩み名・・・「出っ歯」、「アレルギー 矯正」
- 地名・・・「大崎 矯正」「田町 矯正」
- 料金・・・「マウスピース矯正 価格」「矯正 価格」
- 期間・・・・「矯正 期間」
etc…
各キャンペーンに入れるキーワードが完成しました。後はこれらのキーワードを入れる広告グループを作り、広告を出稿します。どのキーワードが最も自クリニックに合っているかは、リスティング運営を行っていくにつれて徐々に分かっていきます。まずは、ざっくりとキーワードを選定して随時集客に有効なキーワードを選出することが大切です。
おまけ:キーワードのマッチタイプって?
キーワードは決まりましたが、GoogleやYahooのリスティング広告管理画面をみるとキーワードについて「マッチタイプ」という見慣れない単語があります。
キーワードは、この「マッチタイプ」を決定する必要があるのですが実際にはどんな違いがあるのでしょう?
マッチタイプを決定してキーワードの配信範囲を決める
キーワードのマッチタイプには「完全一致」「フレーズ一致」「部分一致」「絞り込み部分一致」の4種類があります。このタイプをキーワードごとに決めることで、見込み客が検索するキーワードに対してどこまで広告が配信されるのかが決まります。今回はキーワード「審美歯科 大崎」を例として具体的にみていきましょう。
完全一致
キーワードのマッチタイプを完全一致にした場合、検索した人が「審美歯科 大崎」で検索したときのみ広告が配信されます。また、キーワードの順番を「大崎 審美歯科」のように反対にしたり他のキーワードが検索に含まれていても広告は配信されません。
フレーズ一致
マッチタイプをフレーズ一致にすると、他のキーワードが含まれていても広告が配信される可能性があります。ただし、「安い 審美歯科 大崎」「審美歯科 大崎 安い」のようにこのキーワードの左右に他キーワードが含まれている場合に限ります。
また、「大崎 審美歯科」のようにキーワードを反対にした場合には広告は配信されません。「審美歯科 安い 大崎」のように、キーワード間に他のキーワードが入っても広告が表示されることはありません。
部分一致
キーワードを部分一致に設定すると、「審美歯科 大崎」「大崎 審美歯科」で検索した人に広告が配信されるほか類義語・関連性のあるキーワードで検索した人にも広告が配信されます。
「美容歯科」「歯科 大崎」のようなキーワードで検索した人にも広告が配信される可能性があります。
絞り込み部分一致
絞り込み部分一致では「審美歯科 大崎」「大崎 審美歯科」のようにキーワードを反転させたワードで広告が配信されるほか、間や左右に他のキーワードが含まれていても広告が配信されます。(ex.「大崎 駅チカ 審美歯科」など)ただし、絞り込み部分一致に設定したキーワードが入っていないと広告は配信されません。
絞り込み部分一致に設定するキーワードには前に「+」を付けます。(「+」を付けないと部分一致の状態)広告の表示については以下のようになります。
- 「+審美歯科 大崎」:「審美歯科」が検索に含まれていないと広告は配信されない
- 「審美歯科 +大崎」:「大崎」が検索に含まれていないと広告は配信されない
- 「+審美歯科 +大崎」:「審美歯科」「大崎」の両方が検索に含まれていないと広告は配信されない
キーワードのマッチタイプについてまとめると以下のような構成になります。
一概には言えませんがクリック単価の高い歯科では、最初は絞り込み部分一致で配信することをおすすめします。また、キーワードのマッチタイプをそのまま部分一致で配信すると費用が嵩むだけでなく無駄なクリックを稼いでしまう原因となるので注意しましょう。