今回のテーマは、WordPressです。ウェブに関わったことのある方なら、一度は見聞きしたことがある名称でしょう。WordPressはSEOに強いと言われていますが、本当にそうなのでしょうか?その理由について迫ってみました。
オープンソースのCMS、WordPress
WordPressは、無料で使えるオープンソースのCMS(コンテンツマネージメントシステム)です。2003年のリリースから10年以上たちますが、頻繁なアップデートのおかげで非常に多機能。CMSといえばWordPress、と言われるくらい、日本を含む世界中で利用されています。WordPressの主だった特徴についてまとめてみましょう。
- ページ更新やコンテンツの追加が楽
- テーマ、プラグインの数が多い
- 書籍やネット上での情報が多い
- 簡単なサイトであれば初心者でも作れる
- プロユースにも耐えうるカスタマイズ性
WordPressには、ここまで多くのメリットがあるのですね。上であげた特徴に加えて、SEOにも強いことでも知られています。例えば、Googleの検索アルゴリズムの開発に関与するマット・カッツ氏も、WordPressがSEOに強いことを認めているのです。とは言っても、そもそも、WordPressは本当にSEOに強いのでしょうか。本記事では、WordPressがSEO(内部SEO)に強いのはなぜなのか。その理由について迫ってみたいと思います。
WordPressがSEOに強い理由
WordPressがSEOに強い理由について探っていく前に、まずはSEOについて簡単に復習しておきましょう。SEOとは、日本語で言うと検索エンジン最適化のこと。GoogleやYahoo!などの検索エンジンで検索されたときに、上位に表示されるための施策のことを指します。SEO対策には、大きく分けて内部対策と外部対策の2つがあります。
内部対策とは、ウェブサイト内部から行うSEO対策のこと。Googleなどのクローラーがページを巡回しやすいよう、サイト構造やプログラム面を整えることを指します。一方で外部対策とは、外部リンクやソーシャル連携などを通して、サイト外部とのつながりを強化するSEO対策のことです。以前は、外部対策を活用したSEOが主流でしたが、ブラックハットな方法が多かったことで知られています。
近年では、Googleの検索アルゴリズムの発展によって、ホワイトハットな内部対策の比重が高くなってきているのです。WordPressは内部対策に強いので、今後もより注目を集めていくことになるでしょう。ここからは、主に内部対策にテーマを絞って話を進めます。それでは、WordPressがSEOに強い理由について探っていきましょう。
(1)内部構造がSEOに最適化されている
WordPressで制作したサイトは、内部構造がSEOに最適化されています。内部構造とは、ページ構造や内部リンク、URLの正規化、HTMLタグなどのこと。内部構造の最適化はクローラー対策となり、ひいてはSEOに強いことにつながっていくのです。WordPressは、サイト制作時にこういった内部構造を自動で構築してくれます。プログラミング知識のない方でも、簡単にSEOに強いサイトを持つことが可能、ということになるのです。
パーマリンクを例に取ってご説明しましょう。WordPressでは、投稿記事に割り振られるURLのこと。サイト制作時にパーマリンクを設定しておけば、あとはそのルールに従い、各記事に自動でURLが割り振られていくことになります。一度設定しておけば、あとは各記事のURLについて気にする必要がありません。コンテンツの制作に集中できますし、URLが統一されていることはSEOの面でも大きなメリットがあります。このように、WordPressではサイトの内部構造も管理しやすくなっているのです。
(2)SEO対策のテーマ、プラグインが豊富
WordPressには、多数のテーマ・プラグインが用意されています。公式・非公式、有償・無償などさまざまですが、SEO効果を高めてくれるテーマ・プラグインもあるのです。
例えば、SEO効果を高めてくれるプラグインとして、「All in One SEO Pack」が人気ですね。「All in One SEO Pack」では、メタ情報やxmlサイトマップ、robotsファイルの管理などをまとめて行うことができます。
URL:https://ja.wordpress.org/plugins/all-in-one-seo-pack/
またソーシャル連携の機能もあり、TwitterやFacebookへの対策も併せて組み込むことができます。こういったテーマやプラグインを活用することで、ビギナーでも簡単にSEOに強いサイトを持てるのが、WordPressの大きなメリットと言えます。
なお、新規にテーマ・プラグインを導入するときは、評価やレビューなどの情報をチェックした上で行うようにしましょう。出回っているものの中には、作りが良くないテーマ・プラグインも存在しています。せっかくのSEO効果が薄れてしまうことも考えられるので、作りも良く、良い機能のテーマ・プラグインを利用したいですよね。ただし、テーマ・プラグインの優劣を判断するのはビギナーには難しい作業となります。可能であれば、有識者の意見を仰ぐとよいでしょう。
(3)フレッシュなコンテンツを提供しやすい
企業サイトやECサイトなど、あらゆるウェブサイトを作ることのできるWordPress。もともとは、ブログサイトを簡単に制作できることで有名でした。そのため、記事や写真などのコンテンツの管理がとても簡単なのです。ご存じの通り、フレッシュなコンテンツが頻繁に提供されていることはSEO対策として重要です。WordPressはこの点でも、SEOに強いと言えますね。
ところで、注意すべきこともあります。なんでもいいからコンテンツを増やす、というのはよくありません。ユーザーを惹きつけ、コンバージョンにつながる、良いコンテンツを提供することが大切。この点は忘れないようにしてくださいね。
あとがき
いかがでしょうか。WordPressは更新頻度の高いサイトに向いたCMSですが、工夫をすればあらゆるサイトを制作することができます。WordPressを使わずとも、SEOに強いサイトは作れます。しかし、簡易的なSEO対策がデフォルトで備わっているWordPressには、とても大きな魅力があります。内部SEOやコンテンツが重要さを増していく中で、WordPressはより一層、その存在感を増していくことでしょう。