栄枯盛衰はWeb業界の常識。現在Googleが力を注いでいる「AMP HTML」をはじめ、「Google検索の行方」「SEOの今後」などなど、Web業界のちょっと先の未来を考えてみました!これからGoogleはどのような方針で動いていくのかをみていきましょう。
動画やアニメ視聴をより快適に!今後Googleが「AMP HTML」を採用
近年のスマホ・タブレットといったモバイルコンテンツの普及・浸透は目覚ましいものがあります。パソコンは売れませんが、モバイル端末の売れ行きは好評です。しかし、現状これらのモバイルコンテンツは重たくてロードに時間がかかることもしばしば。そんな背景からGoogleは重たいコンテンツもサクサク見られる「Accelerated Mobile Pages(AMP) HTML」プロジェクトを発表しました。
このプロジェクトの柱になっているのが、Webサイトを劇的に軽くするオープンソースのフレーム「AMP HTML」。AMPが提供するフレームワーク「AMP HTML」をウェブサイトに導入することで、広告が表示されても驚く速度(爆速)でウェブページを読み込むことが可能になります。
同じコードでスマホやタブレットなど、あらゆるモバイル機器やプラットフォームに対応可能。現在、GitHubで初期の技術仕様を配布しています。
Googleは、今後すべての自社サービスをAMP HTMLに統合すると発表しています。また、ツイッター、Pinterest、WordPress、LinkedIn、朝日新聞、毎日新聞、産経デジタルといった企業もパートナーとして参画することになっています。2016年はGoogleと媒体各社が一緒になって、サクサク快適動画を配信する時代になりそうです。
今後は「検索する」という言葉がなくなるかも!?
グーグル検索、通称ググる。意味はGoogleで検索することですが、5年先、10年先には「検索する」という行為自体がなくなるかもしれません。
それを裏付ける例として「Google Now」があります。以前は検索していたような状況でも、最近はGoogle Nowを見るだけで近くのお店やおすすめのWebページなどを紹介してくれます。終電時間を気にしている場合、今は検索しなくても現在地から自宅に帰る終電の時間をGoogle Nowが教えてくれます。このような動きが今後加速するだろうと予測するIT関係者は実に多いです。
検索エンジンの価値は、瞬時に欲しい情報を知らせてくれることです。現在、検索エンジンへの情報は爆発的に増えており、既存の検索エンジンではちょっと対応仕切れない部分もでてくるようです。
検索エンジンにとって代わるのが「エージェント型検索」と言われています。つまり、エージェント、代理人が勝手に調べて、検索する前に検索結果を教えてくれるシステムです。
そんなことはありえないでしょうと思うかもしれませんが、このようなタイプの検索は日本企業も含めて多くの会社が既に実現に向けて着々と動いています。実用に一番近い企業はGoogleですが、今後エージェント型検索にシフトしていく可能性はかなり高いようです。
エージェント型検索が実用化されると「検索する」という行為が減ることは間違いないでしょう。すでにGoogleは新機能「Now on tap」http://insidesearch.blogspot.jp/2015/05/now-on-tap.htmlを実装予定と発表しています。
SEOは千年後もなくなることはない!
検索行為がなくなるとなれば、SEOは今後必要ではなくなるのではないか?と思われる方も多いと思います。しかし、SEOのスペシャリスト辻正浩氏はこう断言しています。「SEOは千年後も変わらず必要な技術と考えています」と。その理由をこう綴っています。
「エージェント型検索」も「Google Now」も、中身の仕組みは検索エンジンです。結局、Googleが実現したいのは「ユーザーに快適な検索体験を与える」ということに変わらないのです。SEOには様々な側面がありますが、そのうち重要なことの一つとして「他人が作ったデータベースにうまくデータを格納するための技術手法」とも言えます。
つまり言い換えると、「Googleというデータベースのインデックスに、自分の持っている情報やサイトをより有利に格納する方法」ということです。そういう意味で言うと、SEOという技術手法は千年後でも必要と言えますよね。
予測が難解に!Googleのアルゴリズム変更
SEO担当者の多くはGoogleの一挙手一投足に注視していることでしょう。SEOの現場の声を聞くと、この1・2年はGoogle対応が実に難しくなったと言います。過去にない全く違う規模で大規模なアルゴリズム変更が続き、その変更を追いかけるには全く違う分析が必要になるからです。
SEO・SEMはWebサイト運営の柱であることは変わりません。「Googleの検索アルゴリズム変更」が今後どのような方向性に進むのか考えてみます。
Googleの基本理念は「ユーザーに快適な検索体験を与えること」です。そのため、以前はユーザーのためにサイトを作る”という軸さえブレなければ、アルゴリズムが変わっても大きな影響は少なかったはずです。しかし、パソコンやスマホ、タブレットなど多彩な端末の登場で、検索アルゴリズムも大きく変わることが予想されます。
今後、SEOに求められることは?
様々な端末が登場によって、これからはどのようなSEO対策が必要なのか?様々な意見があると思われますが、SEOの専門家たちは「コンテンツに対するSEO」が有効だと言います。
サイト訪問者に対して「よりよい情報を提供すること」「コンテンツの充実」がカギを握っています。つまり、ユーザーに対して、他のサイトにはない優れた・新鮮な情報を提供し、ユーザーが多数訪れる楽Webサイトを作ることが重要になります。ユーザー目線になってコンテンツを作ることが大切。
しかし、ただ情報量が多かったり被リンク数が多いだけではSEOの効果は薄くなってしまいます。きちんとしたマークアップに適切な画像やUIを準備していること、アクセシビリティやユーザビリティに配慮することなども考える必要があります。
また、コンテンツSEOを中心に考えるのはいいですが、これに頼り切りでは満足できるような効果は得られません。このほかにも内部対策を行うことが大切です。たとえばXMLサイトマップをGoogleに送信したり、RSSを送信したりなどです。
WordPresや、はてなブログなどのサービスを使えば簡単にサイトマップやRSSフィードの作成ができます。初めて内部対策を行うときはこのようなサービスで試しに使ってみてから本格的に導入するのも一つの手法です。
まとめ
スマホ向けページを高速化する「AMP HTML」。2016年早期にも検索結果に「AMP」対応ページが登場します。さらにWordPressのプラグインも開発中です。検索に変わる「エージェント型検索」も要チェック!
そして、SEOは「より一層のユーザー重視」という視点が加速していきそうです。目まぐるしく変わるWEB業界ですが、ちょっと先の未来を予測すること、考えることが成功を掴み取るキーワードです。「Google」「SEO」の今後に注視してください。