ウェブサイトを改善する理由はさまざまですが、共通することもあります。それは、コンバージョン率の向上。コンバージョン率を最適化するための施策としていま最も注目を浴びている、CROについてご紹介しましょう。
CROとはなにか?
CRO(Conversion Rate Optimization)とは、コンバージョン率最適化のことです。ウェブサイトの運営者としては、ページの訪問者に会員登録やお問い合わせ、商品購入などのアクションを起こしてもらいたいもの。見込み顧客にこういったアクションをとってもらい、顧客になってもらうのです。これを、ウェブマーケティング業界ではコンバージョンと呼んでいます。CROとは、このコンバージョンの割合(コンバージョン率)を最適化し、向上させていくための施策のことなのです。
LPOやEFOとは違うの?
ところで、CROと似た意味を持つワードとしてLPOやEFOなどの言葉も知られていますが、CROとの違いは何なのでしょうか。一言で言うと、LPOやEFOよりも広義な意味合いを持つのがCROなのです。LPOとは、ランディングページを最適化することによって、コンバージョン率の向上をねらう方法ですよね。EFOは、お問い合わせなどのフォームを最適化する方法のこと。ランディングページやフォームといった各パーツではなく、ウェブサイトのあらゆるコンテンツ(ページ)に対してどういった対策を行えばいいのか。ウェブサイトに対して包括的に対策し、コンバージョンの向上を目指すのがCROなのです。言い方を変えると、LPOやEFOは、CROの一部ということになります。
CROをおこなう上での秘訣とは
ここからは、CROを実施するにあたってのポイントについてご紹介します。
(1)課題を見つける
CROを行うにあたり、最も重要なステップはサイトの課題を見つけることです。課題が明確でなければ、具体策の取りようがないからです。課題が不明瞭なままに闇雲に対策を行っても、ほとんど効果は見込めないでしょう。課題を見つけるにはサイトの現状分析を行う必要があり、Google Analyticsなどのアクセス解析やヒートマップ解析などが有効です。
ヒートマップ分析では、ユーザーが閲覧していた時間やクリックなどのアクションの有無を、色合いで見ることができます。LPなどのページにお問い合わせフォームがある時に、あまり項目が多いとユーザーが途中でウンザリしてしまうことがあります。ヒートマップ分析などの手法を用いると、このようなユーザーの動きを知り、課題を見つけることができるのです。こういったツールを活用しながら、課題を特定しましょう。
(2)大きな対策よりもピンポイントな対策を
課題を見つけたら、次に対策を行っていきますよね。対策は、できるだけピンポイントにしなければいけません。その理由は、実施した対策の効果を測定し易いから。大きな対策で一気に改善したいところですが、ピンポイントな施策の方が得てして効果的なものです。
(1)では、課題を見つけましたよね。お問い合わせフォームを改善するにしても、一挙にたくさんの改善を施さないほうがよい、ということです。上部に移動、かつ項目も減らしてシンプルに、リッチなアクションも盛り込んで…。となると効果の測定も大変なのです。一つずつ、ピンポイントな修正を行うことが大切です。なお、現状分析のときに課題の切り分けを行っていれば、ピンポイントな対策が取りやすいでしょう。
(3)継続的に実施する
CROは、継続的に対策を実施していくことが欠かせません。一回実施して終わり、ではないのです。PDCAの改善プロセスを何度もまわしていくことで、CROの効果は上がっていくことでしょう。お問い合わせフォームの例で言えば、まずは項目の数を減らします。効果を測定したのち、レイアウトの修正を行いましょう。そののち、効果を測定してリッチなアクションを盛り込んでいく。CROは、このように継続的に実施していけばよいのです。
あとがき
CROで効果を上げるには、まとまったリソース・コストが必用になります。専門家の知恵を仰ぐなどして、根強く施策を行っていくことが肝要です。