「商標登録してる用語で広告を出すのを止めてください」って連絡がきたのですが?
リスティング広告を運用してると、時折、クライアントからこんな相談を受けることがあります。
内容証明で警告状が送られてきたりすると、「今すぐ広告を止めないと!大変なことになる!」となりがちですが、本当にそうでしょうか?
リスティング広告における商標トラブルとは?
商標が「広告文」で使われている
仮に、社名「ココマッチー」で商標登録してるとして、広告文の中で使われるケースです。例文は極端ですが、これは腹が立ちますね(笑)
商標が「キーワード」として使われている
商標用語をGoogleやYahoo!で検索した際、検索結果に他社の広告が表示されるケースです。商標用語で広告合戦になってる業界もチラホラあります。
ただ、「繁盛マーケティング」のように商標に一般用語が含まれている場合、広告主が意図的に出稿してるわけではないこともあります。フレーズ一致「マーケティング」で設定していれば、「繁盛マーケティング」の検索結果に広告が出ますからね。
また、レアですが「商標が表示URLに表示されている」というケースもあります。
GoogleとYahoo!の商標に関するポリシーをチェック
詳細は各URLをご確認いただくとして、
- 商標の権利者から申し立てがあれば調査・制限するけど
- まずは、商標の権利者と広告主の間で解決してね
が基本で、Googleはキーワード出稿については調査しないという点が異なります。
Google AdWordsの商標に関するポリシー
https://support.google.com/adwordspolicy/answer/6118
広告文で使われている商標用語は Google によって調査され、使用が制限される場合があります。制限された商標を広告テキスト内で使用している広告は掲載を許可されない場合があります。
キーワードで使われている商標用語は、商標権侵害の申し立てがあっても調査や制限の対象になりません。
Google は第三者間の仲裁を行う立場にないため、商標権所有者様には問題の広告主が他社の広告プログラムで同様の広告を掲載している可能性もふまえ、その広告主との間で直接問題を解決していただきますようお願いいたします。
Yahoo!プロモーション広告の商標に関するポリシー
http://marketing.yahoo.co.jp/guidelines/trademarks.html
商標権は、もとより「言葉」そのものをすべて排他的に支配(コントロール)することができる権利ではありません。
単に自身の登録商標を他者が入札しているという行為だけをもって商標権侵害は成立しません。
当社にご連絡をいただく前に、自身のご主張が法的に妥当なものか、専門家に相談する等して十分ご検討ください。また、広告主の連絡先がわかる場合は、直接ご連絡をおとりいただき当事者間で問題を解決されますようお願い申し上げます。
商標用語を調べる方法は?
特許情報プラットフォーム
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/web/all/top/BTmTopPage
プルダウンメニューから「商標を探す」を選択し、テキストエリア内に調べたい用語を入力。「検索」ボタンをクリックするだけで、簡単に商標用語を調べられます。
キーワードプランナー(Google AdWords)
以前は、Google AdWords管理画面内の「キーワードプランナー」でキーワード候補を調べると、商標用語には「TM」というマークが付きました。現在は、Googleのポリシーが変わったこともあってか、TMマークは表示されなくなりました。
弊社ココマッチーの場合
広告文での使用
これはNGとしています。国内の判例は見当たりませんが、もし訴訟になった場合、商標権侵害にあたる可能性が大きいからです。
クライアントの商標用語が他社広告文で使用されていたら、間違いなく警告状を送ることになりますしね。
「iPhone」ではなく、「iPnone」で出してる会社もあるようですが。。。(笑)
キーワード出稿
意図的に商標用語に出稿することは少ないのですが、基本的にOKとしています。
商標の権利者から連絡があった場合、クライアントに訴訟リスク等を説明し、GOサインが出た場合は出稿を続けます。
商標を取るくらいですから、認知度が高く、検索回数が多い用語もあります。「商品やサービスに競合優位性がある」という条件付きですが、CPAも良いんですよね。
ここは意見が分かれると思いますが、所詮、リスティング広告はGoogle、Yahoo!が用意した土俵とルールで戦っているわけですから、攻められるのであれば攻めたいところです。
まとめ
広く認知された用語を後から商標登録し、その権利を主張してくる。。。そんな苦い思いをしたこともあります。
商標権は守られるべきものですが、「商標=絶対ではない」というのも事実。これは知っておいてほしいと思います。
権利者側、広告主どちらの立場だとしても、やはり専門家への相談は必要ということですね。