どうしても、「低賃金で重労働」というマイナスイメージが付きまとうのが介護職です。
実際、老人ホームや障害者支援施設等、福祉施設の平均月給は21万9,700円と全産業の32万9,600円を大きく下回っています(2014年)。地域や職種、資格によっては、手取りで10万円に満たないという方も決して少なくないようです。
一方、福祉施設の数は高齢化の波に乗り増え続けています。場が増えれば、当然人手が必要となるわけで、平成26年1~3月期には有効求人倍率3.0倍を超える「超・売り手市場」に突入し、さらに伸び続けています。全国平均が1.1~1.2倍ということを考えると、本当にすごい数字ですよね。
求職者が減るとウェブ屋が儲かる?
そんな中、ウェブ屋に寄せられる「介護系専門学校の生徒を集めたい!」、「介護職の派遣登録者を集めたい!」という案件の難易度も上がっていて、同業から「どうしたもんですかね~?」と相談されることもチラホラ。
説明するまでもありませんが、難易度が高い理由の1つは「求職者不足」ということです。特に、景気が上向きになると若年層の介護職離れが顕著になるため、WEBマーケティングはますます困難になります。
とまぁ、話がついつい暗くなりがちですが、これはウェブ屋にとってもビジネスチャンスなわけですから、以下の3つのポイントから自分なりの一手を探ってみてください。
1.まずは正攻法を抑えておこう!!
いろいろ書きましたが、「介護 専門学校」や「介護 派遣」のようなコアキーワードの検索ボリュームはピーク時より減ってはいますが、商売にならないほど少ないわけでも、下がり続けているわけでもありません。需要に対して供給が少ないという比較論ですから、やりようはあります。
専門学校であれば、「他校との違い」を打ち出すことが正攻法となります。就職率は業界的に100%が当然の世界ですから訴求としては弱いです。書くのであれば、卒業後の離職率の低さ(その理由)や大規模施設への就職人数がオススメです。
また、大学進学と専門学校で迷う人も多いようです。大学に負けない充実したキャンパスライフを、日々、ブログやTwitterで発信しましょう。
派遣会社の場合、やはり「求人情報」がキモになります。質・量ともに重要ですが、どんなに商品点数が多い通販サイトでも欲しいものがなければ買わないわけですから、人気のある新規オープンの施設や正社員の求人情報は思い切り目立たせてください。
また、介護職や介護福祉士合格者の70%以上が女性ですから、スマホ対応はもちろん、女性を意識したライティングやWEBデザインで勝負しましょう。
2.未来+希望を見せよう!!
専門学校や派遣のWEBサイトに必須のコンテンツとして、「先輩の声」や「派遣スタッフの声」があります。最近では、動画で紹介するサイトも珍しくありませんから、ぜひ生徒やスタッフを口説き落としてトライしてみてください。
ただ、どんなにヤル気がある人でも、介護職に就くことに不安がないわけはありません。
「結婚、出産の後でも再就職しやすい!」、「キャリアを積んでケアマネジャーになれば、准看護師並みの給与が狙える!」といった具体的な未来像を信憑性の高いデータと共に見せてあげましょう。厚生労働省や各協会のWEBサイトには、様々なデータが詰まったPDFが公開されています。
また、平均12,000円/月の賃上げを狙った「介護職員処遇改善加算」のように、政府が積極的に支援している業界でもあります。現実的には課題は山積みですが、このような情報を学校、企業からも積極的に発信していきたいものです。
3.ウェブ屋の仕事って何だろう?
この記事を読んでる方の中には、高齢化社会という言葉が現実問題としてピンきてない方が多いのではないでしょうか?日頃、病院や福祉施設に行く機会がなければ、それもしょうがありません。都市圏でウェブ屋なんてやってるとなおさらです。
確かに、クライアントは専門学校や派遣会社かもしれませんが、「その先のお客様=ターゲット」、さらにはそのターゲットを取り巻く環境のことをもっと知るべきだと思います。それなくして、いいキャッチコピーやコンテンツが生まれるわけはないのですから。
厚生労働省の試算では、2025年に介護職員は約30万人不足するそうです。『あなたが作ったWEBサイトや広告次第で、この数を減らすことができる…』そう考えるとウェブ屋の仕事って単なる集客じゃないのだと気づくはずです。