Twitter・Facebook等のSNSが一般的となった2010年代からは、毎日のようにネットのどこかがボーボーと「ネット炎上」している状態。
昨年2015年も数えきれない程の炎上事件が起こりましたが、「多すぎて覚えてない」という人も多いかもしれませんね。炎上は有名人だけの話…なんて思っていませんか?
でもネットで発言する限り、炎上は他人事ではありません! SNSでの一言から、明日にもあなたのネットやリアルで火の手が上がるかもしれないんです。
今回は2015年の炎上問題を振り返りつつ、「炎上させないためのマナー」を抑えていきましょう。
憶えてますか?2015年の「炎上」事例
国際・政治問題にも影響した炎上
東京五輪エンブレム「パクリ」問題
2020年東京五輪の為に作られたエンブレムが、ベルギーの劇場ロゴに酷似していた問題。ベルギー側からの指摘当初にはエンブレムのデザイナー佐野研二郎氏が盗作疑惑を否定、五輪委員会もエンブレムの続投方針を固めていました。
しかし「似すぎだろ」とネットは大炎上。佐野氏の歴代作品までが「パクリチェック」をされ、サントリーのプレゼント用トートバッグ等数点についてトレースがあったことを佐野氏本人も認める事態となりました。最終的に委員会はエンブレムの白紙撤回を決定。ネット炎上が大きく影響を及ぼした一件と言えます。
安全保障関連法案関連
7月下旬、平和安全法制に対し反対の運動を行っていた学生団体「SEALDs」について、自民党衆議院議員・武藤貴也氏が「戦争に行きたくないのは、自分中心で極端に利己的」とTwitter上で発言し炎上。
野党からの非難を浴び、自民党内からも苦言が出る大問題となりました。この事件で注目された武藤氏は、炎上2週間後に金銭トラブル問題も週刊誌にスッパ抜かれ、自民党を離党しています。
マイナンバー情報漏洩問題
11月、ネットセキュリティ企業「エフセキュア」の社員が400人以上の個人情報を収集し、意図的にネット流出させて問題に。
マイナンバーのセキュリティを担当する企業であったため「マイナンバーによる個人情報の漏洩もあったのでは」という懸念が渦巻き、マイナンバーへの批判も相次ぐ炎上事件となりました。
SNS・ブログでの発言で炎上…イメージダウンした芸能人
水原希子(モデル・女優)
Instagramにアップした写真が「きわどい」アート作品であったことから「下品だ」という非難を浴びて炎上。この他にも鼻ピアス等過激な自撮りを繰り返し、酷評される事態となっています。
夏に公開された映画『進撃の巨人』の評判が良くなかったことも炎上の燃料となり、「炎上タレント」の一人に数えられる程の長期炎上ぶりとなりました。
Fukase(SEKAI NO OWARIヴォーカル)
交際をしていたきゃりーぱみゅぱみゅとの破局を、Twitter上で「暗号」でファンへ報告。浮気による破局であったという疑惑だけでなく、その思わせぶりな報告方法等でファン以外も巻き込んだ炎上に発展しました。
内山麿我(タレント)
貰ったディズニーシー入場パスポートが日付指定の無いものであるため、入場制限で利用を断られたことに立腹。公式ブログで不満を書き綴るも、「注意事項は書いてある」「入場時に騒いだ」とネットからはクレーマー扱いとなり、炎上しました。
一般人も炎上するの!?Twitterでの2015炎上事例
セブン-イレブン店員による盗撮
11月、セブン-イレブンのアルバイト店員が客の様子を盗撮、暴言と共にTwitterに投稿し炎上。該当店員は騒動後即時退職したとされていますが、公式発表等はされていません。
アルバイトが冷蔵庫の中に入る等、非常識な行為を行ういわゆる「バイトテロ」は2013年頃から頻発化。2015年にはやや下火でしたが、そのかわりのように以下のような「社員テロ」クラスの事例も起きています。
新潟日報上越支社部長による匿名暴言ツイート
新潟日報上越支社部長(当時)が対レイシスト行動集団「しばき隊」として、匿名アカウントで新潟県弁護士会・高島章弁護士に対する暴言・中傷ツイートを頻繁に投稿。ネット上で個人特定をされ、最終的には懲戒休職処分となっています。
この事件直後、新潟日報社長による読者への謝罪がなされなかったこと等も問題に。アルバイトや社員の「ネット発言」に対する企業側の姿勢や責任問題も重視されるようになっています。
女子中学生による「電車の中で花火」動画投稿
7月、電車の中でねずみ花火で遊ぶ模様を女子中学生がTwitterに動画投稿。一気に炎上し、未成年飲酒を行ったいたツイート等が発掘されて更に延焼しました。
匿名でTwitterを行っていた彼女ですが、友人とのツイート内容や写真から名前や通学する学校等も特定され、ネット側から学校への通報も行われています。
SNS・ブログを炎上させない!鉄則マナー8箇条
悪いこと自慢、ダメ、絶対。
「SNSでの注目を集めたい」「笑いを取りたい」…、そんな考えから違法行為や迷惑行為を行い、SNSにアップするのは厳禁です。
また「昔の話だから」と10代・20代の頃の「悪いこと自慢」をするのにも注意。法律とは違い、炎上には時効が無いのです。
仕事・バイトで見聞きした話をしない
「こんなお客が来た」「こんな話を聞いた」等、ついつい周囲に話したくなるかもしれませんが、ここはぐっとガマン。職務上知り得た情報を公開するのは、守秘義務の違反です。個人特定をされれば解雇等の懲戒、さらに賠償責任が生じる可能性もあります。
批判・中傷的発言は避ける
誰か(何か)に対する悪口や批判等、ネガティブな内容の発言は、読んだ人を傷つけたり怒らせる可能性が高くなります。
一発炎上とはならなくても、「炎上を狙う人」にターゲットにされる可能性も大。ネット上で敵をわざわざ作るような発言は謹んだ方が無難です。
政治・思想・芸能関係の発言には要注意
政治や思想、また特定ファンの多い芸能関係等は発言に対して批判が集まりやすく、炎上しやすい話題と言えます。「どうしても発言したい!」という場合には、内容をよく吟味し、柔らかな言い方を心がけ、極端過ぎる発言となっていないかを冷静に判断しましょう。
写真をアップする時には事前に確認
外食等で店内写真や食事内容の写真を撮影・アップする場合には、事前にお店の人の了解を得ましょう。また他人のペット、よそのご家庭のお子さん等の写真を勝手にネット上に上げるのもマナー違反です。
ネットは悪意を持った第三者も居る場所であり、写真や情報がどう使われるかをアップした側が規定できません。例えば子供の写真が児童ポルノサイト等に転載されるケースもあるのです。
勝手に撮影され掲載された側が「迷惑・不快」と感じるのは当然のこと。炎上以前に現実社会でのトラブルとなる可能性もあります。
「発言を見ているのは友達だけ」と思わない
SNSをデフォルト設定(初期設定)のままにしている場合、あなたの発言や友達とのやりとりは全て、世界中の第三者が見ることができる状態です。「内輪だから大丈夫」「どうせ誰も見てないから平気」といった考えは禁物と言えます。
現実社会の友達同士とのコミュニケーションとしてSNSを利用する場合には、SNSの発言公開範囲は「友達のみ」に設定しておくことが大切です。
「実名じゃないから」と油断しない
実名(本名)登録のFacebookでは、炎上案件は少なめです。これは「名前を出しているから、下手なことは言えない」という精神的ブレーキが影響しているのでしょう。反対に匿名性の高いTwitter等の方が炎上するケースが多くなっています。
しかし一旦炎上をすれば、それまでの発言や写真等から、居住地域・交友関係等が特定され、更に芋づる式に個人特定が行われます。炎上事例では、一般人の発言者の本名や通勤・通学先等までもが一気に特定されるケースが殆どです。特にSNSにおいては「匿名性はほぼ無い」と考えた方が良いでしょう。
「あとから消せばいい」は通用しない
炎上した発言は、1分に何千件という勢いで拡散されます。炎上事例では発言者が元の発言を削除しても、画像・スクリーンショット等を誰かが保存しているケースが多いもの。
またSNSのアカウントを削除しても、発言ログを保存されていればそこから個人特定をされる可能性が大です。
「後から消せる」と気軽に考えず、「送信」をする前にもう一度発言内容をよくチェックしてみましょう。
おわりに
2015年の炎上事例、いかがでしたか?「そんなのもあったなあ」と半ば忘れているものや、「そんなの知らなかった」というものもあったはず。しかし人々の炎上の記憶が薄らいでも、ネット上に残された「炎上の記録」は消えません。
2003年頃から頻発するようになった「ネット炎上」ですが、10年以上前にもなる炎上当事者の個人情報は現在もネット上に残されています。一度炎上させてしまえば、バラ撒かれた個人情報を完全に消すことはできません。「炎上させない、火を起こさない」に十分に気をつけることが大切です。