急激に普及しているコンテンツマーケティング。市場概況と市場規模ってどの程度?

[著]
コンテンツマーケティング

「コンテンツマーケティング」とは、良質なコンテンツ(記事や動画等)を提供して多くの人の注目を惹きつけ、最終的な売上アップへと繋げる販売戦略のこと。2014年頃からは、日本でもコンテンツマーケティングに力を入れる企業・店舗が増え、市場規模も年々拡大をしています。ここではその目的と具体的方法、そして市場規模を紹介していきましょう。

1.コンテンツマーケティング、その目的と方法とは?

コンテンツマーケティングの目的は、大きく分けて2つあります。

  1. 顧客の獲得(集客率の上昇)
  2. 注目を集め、埋もれているニーズを掘り起こす(見込み客の増加)

この2つの目的を遂行するため、主に用いられているコンテンツマーケティング手法が以下の様な方法です。

1)コンテンツSEO

良質なコンテンツ提供を継続し、Google等の検索エンジンからの評価を高め、検索順位を上げる手法。

2)エデュケーショナルコンテンツ

顧客・見込み客が持つ疑問や不満等を解消するための情報型コンテンツ。商品に関連した「役立つ情報」を紹介し、見込み客の企業への信頼度を上げます。

AJINOMOTO「レシピ大百科」

レシピ大百科

URL:http://park.ajinomoto.co.jp/

味の素の調味料を使用した数多くの料理レシピ情報を提供。

3)ネイティブ広告

SNSや記事サイトの中で「記事」に近い形で商品宣伝を行う方法。見込み客が普段目にするメディアの中に広告を自然に馴染ませ、潜在的なニーズを掘り起こします。

例)商品「神楽坂カフェのスイーツ」
 →女性向け情報サイトに「神楽坂散歩」という記事を掲載。記事内にて商品を紹介する。

4)面白コンテンツ

読者が笑ったり、感動して話題としたくなる「ネタ」的なコンテンツ。商品とは直接関連しないネタでも、話題となれば多くの人の注目を集め、知名度・好感度を上げられます。また商品との関連する率が高いほど、その後の集客にも繋がります。

文化庁「方言アフレコ体験教室」

方言アフレコ体験教室

URL:http://hogen.bunka.go.jp/

動画と一緒に方言に挑戦する講座型コンテンツ。「ユルさ」と「官公庁らしくなさ」が話題に。

2.コンテンツマーケティングの市場概要とその規模

1)コンテンツSEO市場

2012年のペンギンアップデート以来、Googleの上位表示の優先度は「被リンク数」から「コンテンツの質」へと大きく変わりました。それによって開拓をされたのが、Googleの求めるコンテンツ提供を行うための対策・コンサルティングを行う「コンテンツSEO市場」です。

2014年のSEO市場規模は369億円。2015年には440億円を突破し、2016年以降には500億円台へ拡大することが予測されています。「検索エンジン」が存在する限り、コンテンツSEO市場が今後一層拡大していくことは間違いありません。

2)コンテンツテキスト制作市場

良質なコンテンツの継続・定期提供が肝となるコンテンツマーケティング。しかし、その内容制作(テキストライティング等)に時間を掛けられない企業・店舗が多く、圧倒的な作り手不足となっています。そこで注目されたのが、クラウドソーシングでの制作代行です。

クラウドソーシングとは、特定の相手との雇用関係を結ばず、不特定多数の人達にコンテンツ制作を外注する手法のこと。国内大手「クラウドワークス」「ランサーズ」を始め、多数の企業が市場を拡大させています。矢野経済研究所の推計によれば、国内クラウドソーシングの市場規模は2013年時点では246億円。2017年には1430億円台へと大きな伸びを見せる予測がなされています。

3)動画制作市場

大手企業が力を入れ始めたのが「動画コンテンツ」によるマーケティングです。海外ではコカ・コーラ、ディオールと言った一流ブランドが一見商品に関連しないようなイメージ動画・面白動画をYouTube等で配信し、話題を集めています。

アメリカでのネットユーザー動画視聴率は、2015年前期時点で前年比40%も上昇中。この「動画重視」の流れは、スマホの普及によって日本にも来ることが確実と見られています。実際、国内での動画制作市場の規模は2012年の40億円台から翌年には一気に132億円にまで拡大。2017年までには640億円台という大型市場となる予測です。

おわりに

かつてのマーケティングはコマーシャル・DM・宣伝メール等アウトバウンドな手法がほとんどでした。しかし現在では「顧客・見込み客に向こうから来てもらう」というインバウンドなコンテンツマーケティングの重要性が上記のとおり年々高まっており、アウトバウンド/インバウンドの比率が逆転することも見込まれています。

より上質で、より顧客を満足させるコンテンツ作りが今後の集客を決める時代が来るのは確実と言えるでしょう。


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